2011年7月アーカイブ


通常、わたしたちが目にする舞台や映画は「完成品」です。

その道のプロである監督をはじめとするスタッフ、俳優が作り上げた「作品」を見ているのです。

その「果実」を味わう幸福ももちろん大きなものですが、

作っていく過程を見ていく面白さを知ってしまうと病みつきになることもあります。


そんな機会を身近な場所で提供しているのが「せんがわ劇場」です。


7月17日、プロの指導のもとに、市民が参加して作り上げる音楽劇「わが町、せんがわ」~ちいさな劇場の物語~の稽古を見ました。

ホールに入っていくとすでにウォームアップが始まっていました。

体を使って表現していくことですから、思い通りの表現ができる体にしていかなくてはなりません。

舞台上では出演者が輪になってボクサーのような腹筋や腕立てをしながら喋るなどのエクササイズに取り組んでいます。


ウォームアップが終わって、この日は「ハンバーグ カレー とんかつ」の歌とダンスの場面です。

夕暮れ時、空腹を覚えた町の人たちが、ハラペコハラペコ・・と歌い踊るシーンです。

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舞台上の出演者に振り付けや歌唱指導の先生方から修正が入り、

また、出演者からも歌いながら踊るシーンを何度か繰り返した後、歌だけでやってみたいという提案もあり、

細かいセリフの調子、声の大きさや発声などを直していきます。

何度も繰り返すうちに、出演者の顔や体そして声にも表情が出て来ました。  

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なんとなくいま一つだな、物足りないなと思っていたところが

的確な指示出しでどんどん変わっていく様子を見るのは、

どのような舞台であっても刺激的な体験です。


オーディションを経て、この音楽劇に参加されている皆さんのプロフィールは詳しく知りません。

まだ、役も決まっていない段階ですが、男性も女性も年齢も体型も経験も様々な皆さんが、

このあと何日も稽古を重ねて、せんがわの町に生きる人として舞台上で輝いていく過程を目撃するのが楽しみになってきました。


皆さんにも、機会があれば稽古をぜひ見ていただきたいと思いました。

鬼弦千枝子(市民アンサンブル)